言語聴覚学生の疑問:実習に必ず求められる能力って?
テストが終わり、年を何度か超すと、実習が来る…。
入学した頃から覚悟していたことではあるけど、何せ初めてだらけでよくわからない!!
きっと言語聴覚士を目指す学生さんには、あるあるかと思います。
せっかく必死になってテストを超えてきたのに、実習で落ちたらどうしよう?
先輩たち、「課題沢山であんまり眠れなかったよ」なんて言ってたけど、本当にそんなに大変なの…??
というわけで、言語聴覚士の実習で、必ず求められるであろう能力について、お話させていただきます(。-∀-)
まず、ざっくりと結論からお話させていただくと
「メモ能力」
がとても重要になってくると私は思います!!!
私が学生の頃は、よく先生方が口うるさく「メモをとる癖をつけなさい」と教えてくれていました。
しかし、その頃の私はというと、メモを取る癖をつけたからといって学校生活が豊かになるわけでもなかろう…( ˘ω˘ )
なんて捻くれて思っていたんですね…笑
でも、メモを取る癖が発揮されるのは日々の学校生活のためではなく(いや、学校生活でも役に立ちますけどね!笑)
実習の時に自分で自分を助ける大きなヒントだったんです!!!
ではここから、わかりやすく解説していきたいと思います。
学生のうちは、実習の前に何を準備しよう…と考えると
「とりあえず、検査の練習でもしようかな?」
「神経難病が多い病院って聞いたから、おさらいでもしようかな」
なんて考えるのではないでしょうか?(自分がそうでした)
それは全然間違いではなく、実習に必要なことには変わりありません!!
そのまま継続していってください!(*´ω`*)
しかし、実習先の先生も鬼ではありません。
まだ免許も持たず、患者さんとそんなに関わった経験のない学生さんに、「検査失敗するなよ!」「そういう関わり方は違う!!」
なんて大きな声はあげないでしょう。
では、実習で学生さんは何をするべきなのでしょうか?
それは、
◆患者さんの反応をきっちり読み取ること
◆バイザーや他のスタッフの先生方の言ったことを、忘れずに実行することが出来ること
きっとこれは、言語聴覚士として、また社会人としてまだ失敗の許される学生のうちに培ってほしい!と現場の言語聴覚士や先生方は思っているのでしょう。
実習中、学生さんは一日色々な患者さんや言語聴覚士の先生のリハビリを見学することになります。
そんな中で、すかすかのメモだけでは、家に帰って「さあ課題をやるぞ!」って時にうろ覚えだったりするんですよね…( ;∀;)
どんなに些細なことでもいいんです。
メモをする癖をつけてください!!
私の場合は、午前に見学した患者さんのリハビリ内容は、夜にはもうほとんど思い出せなかったりすることも多かったです。
(1日15人とかデイリー書いてたので、厳しかった…)
そこで、できる限り見た情報をメモするようにしたんですね。もうどんなに些細なことでもいいんです!!
「昨日はよく眠れなかった」と患者さんが言えばそうメモ。
辺りをきょろきょろ見回す動作があれば、それをメモ。
リハビリの課題での正答率、間違えやすいポイント、メモ。
だけど、その時は何気ないメモでも、後から見直してみると案外その「些細なこと」だと思ってたメモが、繋がり始めるんですね。
普段より辺りをきょろきょろ見回していたのは、注意機能が散漫になっていたのかもしれない。
注意散漫になった原因は、もしかすると昨日眠れていないため疲れていたのが原因かもしれない。
リハビリの課題で昨日より正答率が落ちているのは、眠れないせいで疲労から注意散漫となってしまったせいかもしれない。
これって、効率的にデイリーを書く上で、必ず必要になってくる技だと思うんですね。
そして、デイリーがスラスラ書けるようになると、実際に臨床に出ても即時に考察ができるという癖もつきやすくなるんです。
あと、結構見落としがちなのがバイザーから言われていたことのメモし忘れ!!
これ、結構怖いですよ…笑
バイザーは、学生さんの前では「先生」ですが
、普段は普通の「社会人」です。
ですから、社会人としてあり得ない!!
という行為はかなり厳しく点を付けられます。
例えば、「明日までにここの修正してきてね」
との指示は、学生でなくとも、社会人になっても上司からされるかもしれません。
それを忘れてしまうと、「ちゃんとメモしてなかったの?」なんて怒られてしまうこともあるんですね。
実習中の減点はバイザーの匙加減な部分もあります。
言われたことはしっかりと守れるよう、バイザーや他の先生が言ったことは積極的にメモするようにしましょう!!
といった感じで、今回はもう何度も
メモをする癖をつけましょう!!!!
をうるさいほど伝えてきましたが、
検査がうまくできなくても、全然知識が足りなくても、今はまだ成長途中の学生さんですから、これからどんどん経験を積んでいけば良いです。
しかし、何もできないから…といって、何もしないのではなく、小さなことからメモを取るという癖をつけましょう!!
すると不思議なことに、それは未来の自分を助けるということに繋がっていくんですね( ˘ω˘ )
これはきっと、私が学生のときも社会人になってからも助かった部分ではあるので、こんなに伝えたい内容だったのかな、と思います。
では、閲覧ありがとうございました!
言語聴覚士一年目:成人脳性麻痺患者の入院治療と訪問リハ
臨床に出たら、どんな患者さんがいるんだろう?
先輩たちは困ったり悩んだりした患者さんいたのかな?
と思うこともあるかと思います。
なんてったって、机上も実習も臨床も、
別物!という感じの世界ですからね( ;∀;)
ということで、今回は私が臨床に出てから
「あれは困ったなぁ…」という症例をご紹介します。
まずは、軽く言語聴覚士としてのやってきたことをご紹介します。
私は、同じ専門学校卒業の同期1人と共に
言語聴覚療法を開始して2年目の病院に勤めました。
そこには、二人の先輩がいましたが、
何しろ120床ほどある病院と、
同じ法人内で経営していた通所リハビリの午前・午後の口腔期リハも担当していたため
新人の私たちもすぐに現場に回らなければいけない状態でした。
4人で役割を分割。
外来担当。回復期担当。急性期、維持期担当。
そして私が、通所・訪問担当、になりました(空いている時間は急性期・回復期を回っていました)。
そこで担当したのが、急性期病棟に入院された
20歳の脳性麻痺患者さん(Aさんとします)でした。
意思疎通は困難で、その時は誤嚥性肺炎の診断で入院されてきました。
大変だったのは、拒否が強かった患者さん自身もですが
特に親御さんの横槍がかわしきれず…(´;ω;`)笑
「私はこうしてきたわよ」「小児科の先生には昔からこうしてって言われてるの」
などなど…
脳性麻痺の患者さんに直接触れるのも、見るのも初めてだった私。
一応教科書などで勉強はしますが、症状も人それぞれ…。
しかも困ったことに、口腔ケアの拒否!!
そして嚥下機能はまだ20歳程度と若かったため保たれていましたが、摂食拒否!!
そしてそして、一番困ったのは、経鼻経管栄養(以降、MTと表記)を挿入すると嘔吐反射がでる…!!!
この時はさすがに泣きそうでしたね…笑
脳性麻痺の患者さんは口腔器官が過敏だとは習っていましたが、
口腔ケア時に細いメンティップなどを使用しても嘔吐反射が出ることも。
病棟側と連携し、なんとか口腔ケアだけでも!!と粘りましたが、
途中からは親御さんがAさんの気をそらしながら無理やりケアを継続してくれました(;´・ω・)
しかしMT挿入不可となれば、栄養を摂取する経路も断たれ
口腔ケアができないと誤嚥性肺炎の予防もできず
少しでも口腔内に刺激が入らないと嚥下機能だって落ちていく…。
かなーーり、絶望しました!!
◆お母さんに好きだと言っていたヨーグルトをもってきてもらう
◆脱感作しながら口腔器官の過敏性を取り除いていく
◆できるだけベッドギャッジアップを40~50°にし、誤嚥性肺炎を防ぐ
◆成人用のMTしか置いていなかったので、小児用の細いMTを取り寄せる
色々試しました( ;∀;)
すると!!4つ目の、Aさんは小児用のMTを使用すると嘔吐反射が出ないことが判明!!!
この時ばかりは本当に本当に安堵しました…。
ようやく栄養の注入が開始され、年齢も若いからかみるみるうちに回復!
嚥下機能にも大きな低下はなく、ごはんもスムーズに3食移行可能に。
しかし、そこからまた苦労したのが、「摂食姿勢の家族指導」
いままで行っていた摂食姿勢を聞いて、言語聴覚士一同驚き!!!
なんと、Aさんの体を床に寝かせた状態で、首はお母さんの太ももに。
その状態で20年間食べてきたのだといいます…
なんと恐ろしい!!!と本当に吃驚でしたね。
自宅にあるベッドはきちんとギャッジアップができるものらしいので、
とりあえずPTさんやOTさんを交えて痙性が強まらないようなポジショニング指導など行い、とりあえず退院されました。
そして後日、通所・訪問リハビリ担当の私は、
Aさんのお宅に行き、ベッドの調整や食事の指導などをしました。
当然、一年目だからといっても先輩STさんたちは私より忙しいため
一人で訪問担当PTさんの車に揺られ訪問しました。
やはり、実際の生活環境を目の前にすると、
病院では当たり前にされていることや用意されているものが無く
結構バタバタしながらの初回訪問…(;´・ω・)
摂食姿勢はかなり改善されていましたが、
頸部が過伸展になりやすいAさんのため、
食事中は頸部後方にタオルを詰めるなどの対策や
年齢重ねるごとに徐々に頸部の伸展位が強くなってきているとのことで
頸部のマッサージや、緊張が強い日はとろみを付ける指導なども実施。
もともと、小児は興味ないしそっちで働かないから大丈夫~(*'▽')
なんて思っていた私でしたが、
実際の現場では担当になれば自分が安全に3食食べれるように考えないといけないし、家族の対応もしなきゃいけないし、
という大変さを味わった、Aさんの入院と訪問リハのお話でした!
では、閲覧ありがとうございました!
言語聴覚士になる為に、「わからないところが、わからない…」が無くなる勉強しよう!
今日は、言語聴覚士になるための
勉強の基盤なるものをお伝えします。
言語聴覚学科に入ったはいいけど、あまりの学科の多さに驚きませんでしたか?
勉強しても勉強しても小テスト。期末テスト。
あまりの膨大な勉強量に、やる気も一気に落ちてしまいますよね(´;ω;`)
そこで、テストや国家試験にきっと役立つであろう、勉強方法を、今日は書いていこうかと思います!!!
簡単に説明してしまうと、あの膨大な量の勉強で一番厄介な問題になるのが
「わからないところが、わからない…」状態
です。
なんとなく聞いたことあるよ!でもそれが何なのかは知らないけどね!
というのも、かなり危ない状態ですね(; ・`д・´)
では、そんな状態を打破する方法を実践形式で伝授いたしましょう!!!
まずは、こちらの問題をお読みください。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
消化液の中には、唾液、胃液、膵液がありますが
その中に含まれる消化酵素を次の1~8までの選択肢から選んでください。
1.リパーゼ
2.ヌクレアーゼ
3.ペプシン
4.キモトリプシン
5.唾液αアミラーゼ
6.トリプシン
7.カルボキシペプチダーゼ
8.膵αアミラーゼ
どうでしょうか?
そしてここでもう一つ問題を付け加えます。
私が下線を引いている単語について、その働きやどこで生成されるものなのか、説明できますでしょうか??
これが勉強を始めた時、本当に厄介になります。だって、私は大体わからないですもん!!笑
ちなみに最初の問いを答え合わせすると、
唾液は、唾液αアミラーゼ
胃液は、ペプシン
膵液は、リパーゼ、ヌクレアーゼ、キモトリプシン、トリプシン、カルボキシペプチダーゼ、膵αアミラーゼ
……膵臓やばいな!!!(*_*;
というのが素直な感想ですね…笑
先ほども言ったように、それぞれの働きって言えますか??
と、ここまで念を押すのも理由があります。
テストというのは、必要な知識だけを詰め込むことに必死になりがちですが、そのテストに必要でない知識が頭に入っていると、さらに点数はアップします!
なぜかというと、
消去法が使えるようになるからですね。
(経験上、選択問題だけでなく、記述問題でも消化酵素やホルモンなどややこしい問題が作りやすいので、引っ掛けが多く、失点しやすいです)
そして説明ができる、ということは「文章で伝えられる」強みがあります。
文章は単語がいくつも連なって出来上がるものですから、やっぱり口頭で説明できるのは知識が定着してる証拠なんですね。
テストでは、たったの2点配点の問題を落とすだけで学生生活は命取り!!ですよね。
できるだけ沢山の問題を確実にゲットしたいところ。
このテストにきっと必要だ!と思った知識だけを勉強して臨んでも、実際のテストの最中では、「あれ、こんな感じだったっけ…??」となることもあります。一夜漬けしたのに…
だけどそれって、一部分の知識しか頭に入っていないから、「これだ!!」という裏付けを持てない状態なんですよね。
それが、小テストや、まだ期末テストレベルなら良いです!(よくはないけど)
だけどその裏付けができないまま、国家試験を受けている自分を想像してみてください。
まるで地獄のようです…
あなたが今すぐできるやり方は、
まずは最近受けた小テストや期末テストの問題を用意してください。あればあるだけ良いですね!
そして、問題文の中に隠れているわからない単語を抜き出します。
先ほどの問題で言えば、「リパーゼ」「ヌクレアーゼ」などですね。
そしてまず、「リパーゼ」とは何なのか調べましょう。
どこで分泌されてるの?なんの役割があるの?
そして、「膵臓」で生成される消化酵素、ということがわかったら
自分に聞いてみてください。
「あなた、膵臓って知ってる…???」
これ、本当に大事です。
芋づる式に勉強していくことがコツなんです。
◆色んな臓器の後ろにあって見えづらい(解剖学)
◆ランゲルハンス島はインスリンを作る(生理学)
などなど出てくると思いますが…
これだけでも解剖と生理を一気に勉強できていますよね?
そして先程の知識を知っていれば、
◆膵臓癌の人が糖尿病にもなりやすいのは、血糖値をコントロールするランゲルハンス島も侵されてしまうため
などなど、他の疾病についても芋づる式に勉強することができるんですね!!
まずは、今頭に入ってると思い込んでいる知識をもう一度自分に知っているか聞いてみましょう。
そして、わからないところがもう無い!!!
といった知識の底まで、進んでみましょう。
そうすると、最初は多かった「わからない」も減ります。
そして、「わからないところが、わかる」ようになります。
まずは次のテストの範囲や、過去問でも良いでしょう。
「わからないところを、見つける」作業に取り掛かりましょう!!
では、閲覧ありがとうございました!
言語聴覚士を目指し高く買った医学書や専門書は、綺麗に使ったら高値で売れるのか??
高値では売れません!!!(結論)
根も葉もないような始まり方になりましたが…
言語聴覚士だけでなく、理学療法士や作業療法士、その他医療関連職の資格を取るために学生をされている方は、入学するとき、大量の医学書や専門書を学校側から買うように指示されたのではないでしょうか?
その中には、買った割に全然教科書を開かない先生や、むしろなんで買わされたのかわからないような教科書まであったりしますよね?
「元の値段が5000円もしたから、卒業が確定したら売ってしまおう…」
なんて目をつけていた教科書は綺麗によけていた、私です。笑
もちろん、解剖や生理学の教科書も、先輩からわかりやすいと評判で教えていただいていたものを購入し、学校側から最初に買うよう指示されていたものは、実習中や国家試験対策中の参考文献に使う程度。
授業中はそんなに使うこともありませんでした。
そのため、卒業時の状態もかなり良好。
もう二度と使うことがないであろう教育学の教科書など、教科書を詰めた紙袋を抱えて古本屋さんへ。
(医学書専門の宅配買取もあるようでしたが、めんどくさがりな私はそのままブックオフさんへ行きました)
しかし、買取金額を見てびっくり!!!
4年生の専門学校に通っていたため、教科書の数はなかなかありました。
中には1万円近くで購入したものまで。
何千円かにはなるだろう、と十数冊程度は持っていきましたが、
なんと、合計は500円程度でした。
しかも、なぜか教育学や心理学の基礎のような本が一番高値になった記憶が…。
私たちが入学した日には最新版だった医学書も、3~4年も経てば日々進化している医学により価値も低くなってしまう、ということですね…。
そして、医療福祉に携わる人なら興味がある医学書や専門書も、その分野に精通していない方たちからすると、ただの高い本です。
古本屋さんとしても、売れる本ほど仕入れたいですよね。
そのため、医学書や専門書はほぼ数十円の価値…(´;ω;`)
教育学や心理学は、世間一般的にも需要が高いため、他よりも高値で売れたのかもしれませんね!
解剖や生理学の教科書をあんな値段で売るくらいだったら、
学生時代はもっと教科書にマーカーで線を入れて、折り目をたくさん付けて、自分だけの教科書にするべきだったな…
と今になり反省しています。
学生時代の教科書は、実習や国家試験対策などに非常に役立ちます。
そして、臨床に出た時の調べものにもよく登場します。
私は、「教科書は綺麗に使いたい派だから!」と謎な意地がありましたが、今となると学生時代に学んだ痕跡がほとんどない教科書がさみしい…。
あの頃ルーズリーフにメモしていたことを、教科書の単語の横に少しでも書いていれば、もう少し勉強の理解も早かったのかな?
学生時代に自分だけのわかりやすい教科書を作っておけば、一人でポンッ!と臨床現場に出されても、強い味方でいてくれるかもしれませんよ!
現場に出てしまうと、もうれっきとした一人の言語聴覚士として扱われます。
隣の子に聞けば、ゼミの先生に聞けば、なんとかなる!なんてことはなくなってしまいます。
結論としては、
学生になったときに買った教科書は高く売れません!!
思う存分に線を引いたり、文字を書き込んだりしましょう!!
私のように、数十円で売るよりもずっと有意義な使用方法だと思います(´;ω;`)笑
では、閲覧ありがとうございました!
言語聴覚士のリアルなお給料は?
難しい勉強、厳しい実習、立て続けにやってくる試験……
それを超えた先に夢見るのは、高額なお給料とか、しっかりした福利厚生とか、安定した将来ですよね。
「言語聴覚士 給料」で検索すると、匿名で給料が開示されているサイトなんかもありますが、投稿されているのは30~40代とか、管理職とかばっかり…
一番気になる言語聴覚士になって一年目~三年目のリアルなお給料って誰が教えてくれるの?
と、途方に暮れているあなたに、言語聴覚士を続けていれば今年で4年目になるわたしが、赤裸々にお話しましょう!!
ちなみに、私が言語聴覚士の給料について初めて触れたのは、専門学校一年生の時でした。
私たち一年生のクラスに、3人の卒業生さんがやってきました。
1人の女性と2人の男性。その時彼らは、言語聴覚士1年目だと言っていました。
彼らは、自分の給料明細を開示してくれました。
1人目の男性は、月の手取りが22万。ということは、税金や年金など色々引かない状態は大体25~26万程度。年収はおおよそ、400万前後、といったところでしょうか…。(ボーナスは3か月程度で計算してます)
この時私は、大体これくらいが相場で、ここを基準にするのかな…??
と思っていました。
次にもう1人の男性は、月の手取りが18万。何も引かれないと、総額21~22万の支給となりますでしょうか。年収は300万前後…
最後に女性が開示した給与明細は、なんと手取り14万!!これでは年収は260万程度と予想できます…。
この給与明細はかなりの衝撃でした。
え?こんなに勉強して月14万…???とかなり動揺したことを覚えています。
ですが、ご安心ください!
彼女が勤めていた勤務先は、小児分野に施設だったらしく、彼女はもともと小児STになるのが夢だったとか。
給料は安いけど、実家から通いながら経験を積んで、そのうち違う職場に転職したいと仰っていました。
確かに、言語聴覚士の資格に、経験も加われば鬼に金棒です!
次の就職先ではかなり有利な条件となることでしょう。
次に、私本人の1年目からの給料を開示したいと思います。
基本給は18万ちょっと。
そこに資格手当や住宅手当、他にも皆勤手当や食費手当などもあり、かなり福利厚生の充実した病院に就職をしました。
また、言語聴覚士の人手が足りず、業務量もそれなりに多い病院だったので、残業手当もつけていただき…
そのおかげで、毎月5~7万の給料が上乗せされ、大体手取りは20万を超えていました。
そして2年目も同じ病院に勤めていましたが、4月に基本給が5000円昇給し、年間でもらえる額は6万円アップ!
ボーナスは4か月分支給されていました。
というわけで年収は、約340~350万程度。
1年目の言語聴覚士にしてはそれなりに良いお給料をいただいていました…
そして、2年目の冬、私は関東へお引越し。
再就職は大きな脳外を受け、一発合格。
こちらはかなり業務が忙しく、特にボーナスが大きかったです!!
基本給は20万程度。
資格手当、住宅手当、こちらは車で通っていたので燃料手当などが支給。これで月々24~26万のお給料で、手取りは20~21万くらいでした。
そしてなんと、ボーナスが半年分支給!!!これは夢がありました…!
というわけで、2つ目の病院の年収は大体420万程度!!
同年代の男性の平均年収と比較しても、かなりの差がありました。
これで、言語聴覚士が稼げない、という印象は多少払拭されたのではないでしょうか?
そして言語聴覚士4年目になる歳、諸事情で病院を移ることを決めました。
この時は見学のみの予定だったのですが、やはり言語聴覚士が足りていないため、早く人手が欲しいとのこと…。
就職難のこのご時世に、
就職先から選ばれるのではなく、こちらが就職先を選ぶことができる
ということの強みを、言語聴覚士の国家資格のおかげで身をもって体感しました。
年収を条件提示することができ、自分が提示した額よりもさらに上、
そこの病院では「410万でどうでしょう?」とお話をいただきました。
しかしやはり諸事情により自宅療養に専念することに決め、こちらで働くことは断念。
そしてこのように、少しでも言語聴覚士を目指す方々の役に立てれば、とパソコンの前に座っております。
いかがでしたでしょうか?
先生は型にはまったことしか教えてくれないですし、仲の良い先輩だとしてもお給料を聞くのはちょっと気が引ける…などといった方の、
お役に少しは立てたでしょうか。
言語聴覚士は年収何千万!!という高給取りではありませんが、
働く場所は自分で条件を付けて選ぶことができ、比較的同世代よりも高いお給料をもらうことはできるお仕事ですよ!
では、閲覧ありがとうございました!
言語聴覚士をやめたいと思っているあなたへ。
やめないでほしいです!!!(結論)
私は今とある事情で現場を離れていますが、言語聴覚士になって良かったと思うことは何度もありました。
月並みな言葉ではあるかと思いますが、言語聴覚士の国家資格を得て、とても誇りに思えます。
というのも、言語聴覚士は1997年に認定開始された新しい国家資格です。
新しいということは、数が圧倒的に足りていません!
地方では言語聴覚士がいない中で、理学療法士・作業療法士が言語訓練や嚥下訓練を行っている施設や病院も沢山あります。
言語聴覚士の一人職場、なんていうのも沢山見かけます。
足りていないなら、お給料は他のリハ職より高いの?と思う方もいらっしゃると思いますが、リハビリ職内での賃金に大きな差はそんなにありません。
(ただし、残業手当などがつく場合は、言語聴覚士は摂食嚥下に携わる時間が休憩時間に重なるということもあるので、特別に手当てが支給されるところもあるようですね)
言語聴覚士というのはまだまだ世間的な認知度が低く、また病院や施設の中でも新しい存在として深く理解されていないのが現状です。
しかし、私が言語聴覚士の資格に大きなメリットを感じているのには理由があります!!
言語聴覚士が働ける場所は、病院など医療現場に留まりません。
老人ホームなどの福祉現場や、障害を持つ方たちの教育現場など、活躍できる現場は多岐にわたるため、理学療法士や作業療法士とは異なり、「医師の指示の下に」業を行う者とはされていません。
ただし、言語聴覚士の仕事の中には「身体に危害を加えるおそれのある行為」があり、これらについては医師や歯科医師の指示の下に行います。
例えば、嚥下訓練や人工内耳の調整が当てはまりますね。
前述したように、
活動できる範囲が他のリハビリもよりも広い+新しい資格であるため多くの現場が言語聴覚士を必要としており、就職先にはそこまで困らない
というメリットがあるんですね。
私は北海道で就職し、その後関東で2度の現場に就職させていただきましたが、その際のどの施設や病院も言語聴覚士の人手不足に悩んでいたようです。
言語聴覚士を目指す学生さんの中には、勉強がきついからやめたい、思っていた仕事と違ったからやめたい、などという方もいらっしゃるかと思いますが
言語聴覚士免許は、この先一生消えることのない国家資格です!!
就職難が騒がれている今、資格は本当に強い味方になってくれます。
国家資格を取らない、という選択にこの先不利となってしまう要素はありますが
国家資格を取る、と選択にデメリットは無い。
それを覚えておいていただきたいです。
それでは、閲覧ありがとうございました!